東正寺寺報醫王

伝道掲示板

是非の 初心忘るべからず
時々の 初心忘るべからず
老後の 初心忘るべからず


善き人々に出逢う旅 241

北海道幌泉郡えりも町本町23
法光寺住職  佐野  俊也

八月六日そして八月九日に

1945年8月6日午前8時15分。

アメリカ軍の爆撃機が広島市の上空600メートルで原爆を炸裂させた。そしてその3日後の9日。広島に続き長崎市にも、原爆を投下した。多くの市民が犠牲となり、年末までに広島でおよそ14万人、長崎でおよそ7万人が亡くなった。戦争が終結してからも、多くの人々が、放射線によって苦しめられた。

戦後八十年にあたる今年も、両市では、平和記念式典が、厳粛に行われている。

私は、原爆の被害の真実をどれだけ知っているだろうか?どれだけ学んで来たろうか?

戦後生まれの自分の知識の浅薄さと、知ろうとする意識の低かったことを、恥じる。


被爆者の平均年齢は86歳を越え、被爆者の減少と、体験の語り手が減っている。

そんなおり有難いご縁で、広島市在住の西村陽子様から、『ヒロシマの劫火の中で』(田部礼子著)という貴重な冊子を送って頂いた。

昭和60年、著者の礼子様の長女である田部信子様が、母上の遺稿をまとめ出版された。その後、平成2年に改訂版、平成17年に第三版が出されていた。今回頂戴したのは礼子様の長男である田部百之助様の長女の西村陽子様が、被爆八十年周年の機に復刻されたものである。お祖母様がご生前書きためていた原稿に、他の方々の体験記などが加えられ、当時の様々な様子を知ることが出来る内容。
(許可を頂戴したので、一部紹介をします)

〈組長の奥さんが玄関を出られ、私が台所へ引きかえした時だった。ガラスの天窓から一瞬目を抜くような非常にきつい閃光が飛び込んで来た。ハッとして思わず土間へ飛び降り、その場へしゃがみ込むと同時に、ザザザザー、ダダダダーとなんとも言えぬ物凄い響きがして壁が崩れ落ち、頭の上に木切れや壁土が一気に落ちて来た。私は目をつむったまま手を合せ、「神様、お助け下さいませ」と一生懸命に祈った。〉
〈電車通りには、火にまかれて焼死したらしい死体があちらこちらに転がっていて、大手町側の防空壕の入口のそばには、焼け焦げた五、六人の男女の死体がかたまって、さつま芋でも転がしたように並んでいた。生き残っている人も、自分では動けない人達で、目がつぶれ脚の肉が高圧線で焼け切れて骨の見えている中年の女の人が、近づく足音をきくたびに「ちょっと、誰か、私を救護所へ連れて行って頂戴」と頼んでいる。半死半生で「水を下さい、水を・・・」と言っている人。陽は容赦なくこれらの苦しんでいる人達の上に照りつけている。この世の地獄というほかはない。〉

生死の境の中で、必死の行動をされているのだが、その時の詳細な記憶が、事細かく描写されていて驚く。

避難していた建物で、顔にひどい傷を受けた父親が赤ちゃんを抱いて憔悴している姿を見る。建物近くに火の手が迫ってくると、拾って来た暗幕を繋ぎ合わせて赤ちゃんを自分の背中にくくりつけて、父親を励まし何とか火の手を逃れる場面は特に臨場感に溢れている。その咄嗟の決断力に、生きようとする力と、他を助けんとする勇気に感嘆する。

一瞬にして生と死を分ける境目とは、何なのか?戦火の中で生き延びた方ならではの視点で書かれた文章は、大きな説得力を持って、核爆発の恐ろしさを伝えてくれている。

西村様は「被爆者の高齢化により直接証言を聞く機会が減っている現在、原爆の手記の重要性がますます高まっていると思います。」と書かれている。(「復刻版にあたって」)


8月9日、歌手で俳優である福山雅治氏が、NHKの音楽番組『MUSIC GIFT』に生出演した。長崎市内の山王神社の「被爆クスノキ」を題材にした楽曲「クスノキ500年の風に吹かれて」を抽選で選ばれた5000人と共に合唱した。このクスノキは爆心地から800メートルにあり、熱線で焼かれて枯れ死寸前だったが、数か月後に奇跡的に新芽が芽吹いた。復興と再生のシンボルとして人々を勇気づけてきたが、それを楽曲にした。

「我が魂は この土に根差し 決して朽ちずに  決して倒れずに~」と歌詞にある。

父が被爆者で、被爆2世である福山氏は、語っている。

「長崎の人間として、命の大切さや平和を伝えていかなきゃいけない」と。

唯一の被爆国の国民である私たちは、「二度と戦争を起こしてはならない。二度と核を使わせてはならない」と、一人一人が考え、伝えて行かなければならない責務があると、私は思うのである。

続く

 


2015年8月6日 広島平和公園「平和記念式典」の際に、訪れました。


平和を祈るカンボジアの子供たち~佐野撮影

行事報告

初盆施食供養

8月9日午後6時より、東正寺本堂に於いて厳修された。

配役
大梵鐘・殿行   明美
堂行・維那・送迎 智博
知殿・侍者    道雄
梅花奉詠 智博・道雄・明美・晴友
導 師      晴友

第45回 夏季禅林

20・21日 1泊2日 参加者25名
うどの幼  上地 智与 中口 怜音
みなと小一 和田 承眞
成川小一  前田 陽向
鵜殿小二  中口 英音
成川小二  山本 岳  須川晃一郎
鵜殿小三  上地 常仁 中口 明音
御浜小三  池上 暁斗
大島小三  高垣 唯織
成川小四  山本 芽以 小倉 妃乃
須川 杏海 白倉 葵
前田 恵
王子ヶ浜小四 三寸木 葵
鵜殿小五  向  来夢
高池小六  森本 貴子
みなと小六 和田唯一翔 野村 隼也
前田 歩叶 伊藤 嵐馬
御浜中一  池上 結心
相野谷中三 門田 麻央

日程

  • お寺の案内・日程説明・参加者紹介
  • 開会式
  • 住職の話「日常生活の中にも修行がある」
    顔を洗う時や歯をみがく時、水道の水を出しっぱなしにしないでこまめに蛇口を閉める。履き物を揃える。大きな声で挨拶をする。時には、黙って坐って自分自身を振り返る。食事を大切にする。等々
  • 初日 坐禅2回
  • 般若心経・舎利礼文の写経
  • 本堂に於いて「鳴らしもの」(木魚・鐘等々)の練習
  • 晩課(般若心経読誦)や朝課、閉会式の時に鳴らしものをそれぞれ担当
  • 夕食(カレー)
  • クラシックギターミニコンサート
    奏者 智博(副住職)
    曲目 アルハンブラの思い出・タンゴ アン スカイ・星に願いを・キラキラ星
  • 布団作務(布団敷き)
  • 駐車場で花火、写経のお焚き上げ
  • きもだめし
  • シャワーを浴びて9時就寝
  • 翌朝6時起床、布団作務(片付け)、洗面
  • 境内でラジオ体操
  • 2日目 坐禅2回
  • 朝課(般若心経読誦)・朝食
  • ボランティア体験
    日本語の絵本「おおきくなったら、なんになる?・すごいぞ!!きょうりゅう・すてきなあまやどり・たいそうするよ123はい・ぼくとクッキーのなかなおり」にクメール語のシールを切り取って貼る作業
  • 絵本の読み遊び
    三浦伸也さんのトークと読み聞かせをミックスした絵本ライブ
  • 記念写真・坐禅堂の拭き掃除・閉会式。
☆取材 熊野新聞・吉野熊野新聞・ZTV。

地蔵盆 14日

鵜殿地区の地蔵尊、上野地蔵・田中地蔵・和田地蔵・矢渕地蔵の四カ所をお参りした。

日曜学校稲刈り 24日

参加者 子ども4名 おとな13名

ラジオ体操 32年目の夏

7月21日~8月31日
午前6時半より東正寺境内にて
こどもの参加者 精勤賞 片野 陽眞
44日間、17名の参加でした。
子ども5名・おとな12名。

感謝録&醫王縁助金

寄附単(感謝緑)

泰運良紀信士命日供養
一、金壱萬圓也  施主 芝﨑 明子様

篤翁菁泰居士初盆供養
一、金参萬圓也  施主 大野 瑞穂様

音雅良勲信士十三回忌供養
一、金壱萬圓也  施主 水谷八重子様


☆ご寄附を頂き有り難うございます。

醫王縁助金

一金壱萬圓也 林 成乃佐様 宝塚市
一切手参阡参百圓分 匿名様 橋本市
一金伍阡圓也 匿名様 新宮市
一金壱萬圓也 古谷 記子様 神戸市
☆ご縁を助けて頂き有り難うございます。

国際ボランティアの寺

東正寺は、社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)に登録した「国際ボランティアの寺」として活動しています。
ご協力の程 宜しくお願いします。

ほほえみ募金

募金箱は本堂に置いています。
令和7年8 月28日現在  金58,814円
ほほえみ募金  →  SVA  →  カンボジア・タイ・ラオス等の教育関係へ
SVAに寄託した募金額  金730,000円
国内災害緊急募金 → 金30,000円

国内災害緊急募金

SVAに寄託した募金額 金30,000円

アジアの図書館サポーター

アジアの図書館サポーターとして年間24,000円をSVAを通して支援しています。 この支援により、アジアでの図書館運営、移動図書館、図書館員の育成を支えています。(平成17年6月~継続)

絵本を届ける運動(カンボジア・ラオス)

1冊の絵本に、翻訳シールを貼りつける作業。
1組3,000円。過去275組送付。
絵本を届ける運動 (シャンティ国際ボランティア会)

回収

☆牛乳パック(切り開き、乾かして) 
☆書き損じはがき・各種プリペイドカード
☆使用済み切手(切手のまわり1cm程度余白を残して封筒ごと切り取って下さい)

報告

7月27日から8月28日までに協力を頂いている方々です。

■使用済み切手
岸本秀雄様 西村柚美様 林成乃佐様 白井清和様 藪本道雄様 須川光博様
本田昌裕様 匿名様 鮒田潤一郎様

ご協力ありがとうございます。

行事報告

せいゆうの行事報告

8月7日
宝藏寺・塩崎家(太地町)初盆お参り
8日
初盆施食供養 龍光寺
9日
初盆施食供養
10日~15日
本堂にて先祖供養
15日
初盆精霊送り(紀宝町商工会)
16日
初盆精霊送り 龍光寺
24日
日曜学校稲刈り 

智博

4日
三重県人権擁護委員連合会 令和7年度第2回各委員会 
高齢者・障がい者委員会 津法務局
10日・11日・12日
初盆各家お参り
10日~15日
本堂にて先祖供養
14日
盆踊り スタッフとして
22日
熊野病院ディ・ケア クラシックギター講師(奉仕)
28日・29日
くまのっ子学童1日お寺修行 (くまのっ子学童クラブ)の食事係 
大仙寺(熊野市新鹿町) 

道雄

10日・11日・12日
龍光寺初盆各家お参り
13日~15日
龍光寺本堂にて先祖供養

智博&道雄

5日・6日
本堂等お盆の準備 東正寺・龍光寺
7日
宝藏寺・塩崎家(太地町)初盆お参り
8日
初盆施食供養 龍光寺
9日
初盆施食供養 東正寺
15日
本堂等お盆の後かたづけ 東正寺 初盆精霊送り(紀宝町商工会)
16日
初盆精霊送り 龍光寺 本堂等お盆の後かたづけ 龍光寺
24日
地蔵盆 村内4カ所 日曜学校稲刈り

明美・友美・貴美子

7日~15日 随時
龍光寺留守番

せいゆうのひとりごと

PART ONE
夏季禅林でのギター演奏は、昨年まで土井裕夫先生にお願いしていましたが、脳梗塞で入院。今は自宅に戻り元気ですが、演奏を智博に委ねました。
PART TWO
赤ちゃんとお母さんの茶話会
友美(副住職の妻)が企画し実施しています。
初回 8月5日 午前10時~正午まで
場所 坐禅堂一階にて
親子7組が参加しました。
次回は、
9月17日 午前10時~正午まで 
坐禅堂一階にて 時間内出入り自由
参加費 無料
対象 未就学児と親御さん

「子育てをしているお母さん、毎日お疲れ様です。赤ちゃんと一緒に来て、お菓子をつまみながら お寺で ただただ まったりしませんか?」
申し込みは不要です。直接お越し下さい。
詳しくは、東正寺のインスタグラムで最新情報を配信中です。
PART THREE
大本山永平寺(福井県永平寺町)では、9月23日~29日まで高祖道元禅師報恩御征忌が奉修されますが、本山より配役委嘱状を道雄が頂戴しました。

御征忌配役
副貫首寮接客 龍光寺住職 片野道雄

有難くお受けし、随喜させて頂きます。
9月29日は、道元禅師のご命日で、ご遺徳を偲び、760年以上にわたり毎年御征忌が行じられています。

お寺からのお願い

位牌堂の照明スイッチについて

これまでは、位牌堂右手にあるスイッチを利用して頂いてましたが、「感知式」にしましたので、そのまま位牌の前にお進みお参り下さい。約5分間点灯します。
位牌堂の奥が、開山堂です。

写真は、平成27(2015)年9月10日に落慶式を終えた開山堂です。
道元禅師様(右)永平寺開山
瑩山禅師様(左)總持寺開山

ゴミについて

平成15(2003)年4月より、試行錯誤しながら墓地のゴミ処理に取り組んでいます。
ゴミ(しきみ・色花・草等)を持ち帰ることのできる方は、ご協力をお願いします。
墓地掃除を請け負っている方は、請け負っている方の責任において持ち帰って処理して下さい。
ゴミを山に捨てないで下さい。


次の物は、必ず持ち帰り下さい。

  • 墓地で使用した、タワシ・雑巾・手袋
  • お供え物(果物・お菓子類・酒瓶・ビール缶・ジュース缶・セトモノ等)
  • ポリバケツや個人名を書いているバケツ

尚、古い塔婆は、山門前バケツ置き場横の小屋(古い塔婆入れ)に置いて下さい。


神棚と仏壇

人が亡くなりお家に伺いますと、神棚が閉じられていますが、仏壇も閉じられている場合も見受けられます。

人が亡くなるとお家の神棚を白い半紙などで閉じます。そして49日の法要が済んでから取り除き神棚の祀りを再開します。これを「神棚封じ」と言い、神様の住む聖なる場所である神棚に死忌が及ばないように封印するものです。

その際、仏壇を閉めるのは間違いです。「神棚を閉じる」ことと「仏壇を閉じる」ことを混同している方がいるようです。忌中の間もお仏壇のご本尊さま、ご先祖さまには香華灯燭仏飯をお供えします。そしていつものように毎日礼拝を続け、亡き人を一刻も早くみ仏の浄土へとお導き頂けるように祈願いたします。

続・夢積み立て 庫裡台所等々の改築工事

一、金壱阡圓也 写経奉納金
一、金壱萬圓也 施主 片野 晴友(通算 金32万円也)


令和4年12月28日から令和7年8月28日現在
目標金額 住職私案 20,000,000円
積立金額 金2,158,484円

内訳
写経奉納金累計額 金52,000円
寒修行托鉢浄財金累計額 金1,687,692円
喜捨累計額 金418,553円
預金利息累計額 金239円

喜捨金(寄附金)につきましては、鐘楼堂(平成7年)・山門(平成12年)・坐禅堂(平成23年)・開山堂(平成27年)の建立時、又本堂樋取替と本堂外壁塗装工事費(令和4年)と同様に、気になる方は気がむきましたら、無理のない喜捨をして下さい。たとえば
・「生きていてよかった」という何かいいことがあって。
・その時、運良くお金がいっぱいあって
・気持ちよく人に与えたい。
自然にこんな気持ちになった時で結構ですという考えで続けています。

今月の坐禅

安泰寺では、1年間1,800時間の坐禅ができるという。
私はどれくらい坐れるだろうか。
8月の坐禅の時間・・・450分
トータル・・・3,980分(66時間20分)

参加してみませんか?

坐禅会

8月の坐禅会の参禅者
東正寺朝の部 18日 6名
東正寺夜の部 休み

東正寺朝の坐禅会
場所 東正寺坐禅堂&本堂
日   毎月18日
時   午前5時~午前6時
坐禅堂で30分の坐禅の後、本堂においてお経(般若心経・大悲心陀羅尼・舎利礼文)を読誦。
坐ってみたい方 遠慮なく来てください。

東正寺夜の坐禅会(不定期)
場所 東正寺坐禅堂&本堂
日  9月24日(水)19時~20時

夜の部の坐禅について

令和7年
今後の日程
9月24日(水)、10月9日(木)、11月4日(火)、12月4日(木)
時間 午後7時~午後8時
場所 坐禅堂&本堂
内容 坐禅(30分)・お経・お茶
坐禅堂で30分の坐禅の後、本堂にてお茶。
  • 19時より本堂にて座り方の説明をしたのち、坐禅堂に移動します。
  • 日時は変更になる場合もございます。
  • 参加される方は、坐禅のしやすい服装(ジャージ等)でお越し下さい。
  • 足が組めない方には椅子を使った坐禅をご指導させていただきます。
  • 事前に申し込みはいりません。直接お寺にお越し下さい。

夜の部の坐禅会をお知らせするLINEアカウントを作成しました


LINEアプリの友だちタブを開き、画面右上にある友だち追加ボタン>[QRコード]をタップして、コードリーダーでスキャンしてください。
https://line.me/R/ti/p/@400vqzmt

夜の部の坐禅会の前日にお知らせメッセージを送信します。
QRコードを読み取り、お友だち追加よろしくお願いします。

写経会

写経室(坐禅堂1階)において、
毎日 午前中(午前8時~正午)に各自行う事が出来ます。
受付 午前8時~午前11時まで庫裡玄関にて受け付けます。
写経用紙・筆ペンは、用意しています。奉納金は、一部1,000円です。
(奉納金は、本堂トユ取替と本堂外壁塗装工事費として積み立てます)

日曜学校

毎週日曜日
午前7時~午前8時
内容 ラジオ体操・坐禅・お経・掃除・お茶
対象は小学生・中学生です。本人が希望すれば幼稚園児・高校生・18歳未満まで可。
上記の他にも、花まつり・遠足・田植え・収穫祭・忘年会等の催しがあります。
詳しくは日曜学校のページをご覧下さい。