東正寺寺報醫王

伝道掲示板

ゆるして あげれば もめないんです

善き人々に出逢う旅224

北海道幌泉郡えりも町本町23
法光寺住職  佐野  俊也

花咲き 花散る 春に


〈四月二十二日 えりも桜公園〉

本州より一月遅れてですが、えりも町の「庶野桜公園」でも、エゾ山桜や、白いこぶしの花が、徐々にほころびはじめました。

月経のおまいりの後に、寄ってみますと、地元の方ではない来訪者がかなり、写真を撮ってくつろいでいらっしゃいます。古木も増えましたが、「桜保存会」の方々が毎年、養生をし、若木を植えてきた成果があらわれて来て、見事な開花です。冷たい山風が吹いていますので、見ごろは数日かも知れませんが~
『花は 黙って咲き 黙って散って行く』
南禅寺管長であられた柴山全慶老師の詩(『花語らず』)の、書き出しです。黙々と咲き黙って散って行くから、花のいのちをせつなく美しく思い、尊ぶことが出来るのですね。


〈四月二十四日~二十五日 札幌〉

札幌市での会合と、お檀家のおまいりを兼ねて、一泊二日。珍しくバスを使って往復しました。行きは浦河町まで家人に送ってもらい、それから道南バス「ペガサス号」に乗り三時間弱で到着。帰りは札幌バスセンターから「高速えりも号」に乗車し、四時間半でようやくえりも着。大部分は半睡していましたが、長い時間です。本を読むことも出来ませんが、揺れに身を任せながら、様々なことを考える時間を頂きました。


二十五日午後、お檀家様のお宅を出てから、夕方のバス出発時間まで、かなりの余裕がありましたので『道立近代美術館』を、訪れました。『トリック×イリュージョン!』展が、二十二日から開催されていたからです。様々な仕掛けが施された「だまし絵」や、観覧者の動作に反応するメディアアートなど、国内外の作品六十余が展示されていて、視覚によって脳を、深く刺激されます。

若い頃影響を受けたルネ・マグリットやダリ、エッセンシャーなどの著名な画家の作品もそれぞれ数点ありました。しかし、より興味深かったのは、日本の現代画家やアーティストの作品です。

展示作家のひとり福田美蘭氏は、「見るということは何か」を問いながら作品を制作し続けてきた意味を、次の様に記しています。 「人間の視覚の不確かさは、通常の人間の経験値を超えて見えてくるものの中に、その人の深層の不安や、自分を取りまく社会や自然の有り様に意識が覚醒することから、あらたな発想が生まれる地平が開かれるように思っている。技術や知識が進歩し、複雑多様な現代社会にあっても、私達が直接に感覚的経験を通じて世界と関わっていることに変わりはないからだ。」
(「トリックアートについて」)

さて、私達は日常、視覚によって様々なものを判別し、判断を重ねていると思っています。しかし、「ものごとをあるがままに、正しく見ることが出来ているか」というと、そうでもありません。仏教の喩(たとえ)『一月三舟』があります。
〈三艘の舟があり、一艘は北へ、一艘は南へ、もう一艘はその場を動きませんでした。しばらくして、空を見上げると、さっき見た月が、どの舟からも同じように見えます。まるで月が自分の舟に着いて来たかのように見えます。
同じ月なのに、見る人の立場によって違いがあることを示した教えです〉

人はみな、生まれて育った環境や家族関係、受けた教育や読んだ本、考えたことや体験したことによって、それぞれの世界観があり、価値観を持っています。自分が見ている世界は、他人からすると全く違う風景に見えているのかも知れませんね。

同じ「だまし絵」を鑑賞しても、「おそらく隣の方とは、全く違う見方をしているのだろうな」という不思議な感覚。バスに揺られながら、そんなことをうつらうつらと、考えていたのでした。


〈四月二十七日 えりもの風雨に耐えて〉

境内の古木、樹齢百五十年前後です。二三日前から、数輪花をつけています。昨日の強風と豪雨にも散らず、もう少し花を見せてくれそうで、けなげです。
(「万葉集」で「花」といえば「梅」です。「古今集」になって「桜」を「花」と呼ぶようになりました)
もう、半分の枝は枯れていますが、残り半分に花芽が着き、あと一息で満開になり、きっと今年も「梅の実」をつけてくれます。

古希を迎え私も、「花」のいのちを一層いとおしむようになりました。境内の古木に学び、「他のいのちを尊ぶ」ことを、忘れないようにしたいと思います。

続く


『トリック×イリュージョン!』展


『トリック×イリュージョン!』展


境内のうめ


庶野 サクラ公園

トピックス

四十二回 春休み子ども坐禅会

信仰を基盤とした青少年の健全育成を願って、春休みの3月25日から4月5日まで「早寝早起きと、耐える力を養おう」ということで、毎朝7時から8時までの1時間、ラジオ体操・坐禅・お経・お茶等を行った。皆勤賞0名・精勤賞四名。

参加者
飯盛保    山本 岳
王子ヶ浜小二 三寸木 葵
阿田和小二  橋本健史郎
成川小二   山本 芽以
阿田和小四  橋本 妃桜
鵜殿小五   橋詰 虹歩
阿田和小六  橋本 琉輝
矢淵中二   橋爪仁智香
津商高一   榎本 健志
木本高三   栁町 直輝

テレビ取材 東海・中京・CBC
※全国放送everyで放映されました。

       

花祭り(お釈迦様の誕生日)

8日午前10時より本堂に於て花祭り法要を梅花講員さんと共に厳修した。

午後1時半~2時半まで、日曜学校・春休み子ども坐禅会に参加した子ども8名・幼児3名・一般2名・保護者3名が出席して般若心経をお称えして誕生仏に甘茶を注ぎゲームをした後、甘茶・ジュース・ケーキを頂き誕生パーティを楽しんだ。



總和会・嶽山会三重県支部顧問・幹事会

10日午前10時半より武蔵野(松阪市)に於いて開催された。

東海白寿観世音菩薩大祭

18日午前10時より、延命長寿・無病息災の祈願供養を梅花講員さんと共に厳修。
東正寺は、東海白寿三十三霊場の二番札所です。

第二宗務所青年会総会

19日午後6時より「海ひかり」(熊野市)に於いて開催された。会員8名。

新役員
会長 北知秀(祐福寺住職)
副会長 山田量大(南泉寺住職)
副会長 片野智博(東正寺副住職)
書記会計 片野道雄(東正寺徒弟)
監 事 森川隆永(東禅寺住職)
法要委員会
委員長 佐野隆史(三光寺住職)
委員 森川隆永(東禅寺住職)
布教委員会
委員長 宮本進志(宝積寺副住職)
委員 山田智盡(蔵国寺徒弟)
準会員 桝本典暁(大仙寺住職)
準会員 西育範(善昌寺住職)

各委員会が主となり、毎月研修会を開催し研鑽する。

第三教区会

24日午後5時から光明寺(御浜町)に於いて開催された。

第二宗務所寺族会総会

25日午前10時より「みどりや」(熊野市井戸町)に於いて開催され役員の改選が行われた。

新役員(任期2年)
会 長 安藤すぎ子(光福寺・飛鳥)
副会長 佐藤 玲奈(法念寺・三木里)
庶 務 服部芙美佳(林松寺・下市木)
監 事 古田祐三子(光明寺・五郷)

感謝録&醫王縁助金

寄附単(感謝緑)

寿栄淨房大姉一周忌供養
一、金参萬圓也  施主 尾地 一能様

羽山家先祖代々供養
一、金拾萬圓也 施主 神宮寺芙美子様

先祖代々供養
一、金拾八萬四阡八拾圓也 施主 匿名様

ご寄附を頂き有り難うございます。

醫王縁助金

一金壱萬圓也   匿   名様 和歌山市
一金壱萬圓也   木下 眞人様 新宮市
一金伍阡伍百圓也 坪井 悦二様 紀宝町
一金壱萬圓也   青木 龍禅様 大紀町
一金参阡圓也   加藤 寬治様 名古屋市
一金壱萬圓也   谷口喜美子様 神戸市
ご縁を助けて頂き有り難うございます。

国際ボランティアの寺

東正寺は、社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)に登録した「国際ボランティアの寺」として活動しています。
ご協力の程 宜しくお願いします。

ほほえみ募金

募金箱は本堂に置いています。
令和5年4月28日現在  金97,791円
ほほえみ募金  →  SVA  →  カンボジア・タイ・ラオス等の教育関係へ
◎SVAに寄託した募金額  金730,000円

アジアの図書館サポーター

アジアの図書館サポーターとして年間24,000円をSVAを通して支援しています。 この支援により、アジアでの図書館運営、移動図書館、図書館員の育成を支えています。(平成17年6月~継続)

絵本を届ける運動(カンボジア・ラオス)

1冊の絵本に、翻訳シールを貼りつける作業。
1組2,500円。過去265組送付。
絵本を届ける運動 (シャンティ国際ボランティア会)

回収

☆牛乳パック(切り開き、乾かして) 
☆書き損じはがき・各種プリペイドカード
☆使用済み切手(切手のまわり1cm程度余白を残して封筒ごと切り取って下さい)

報告

3月29日から4月28日までに協力を頂いている方々です。

■使用済み切手
中本実雄様 川﨑優佑様 加藤寬治様 神宮寺芙美子様 百崎千恵美様

ご協力ありがとうございます。

行事報告

せいゆうの行事報告

4月8日
花祭り
10日
總和会・嶽山会顧問・幹事会 武蔵野(松阪市)
16日
龍光寺護持会役員会
18日
白寿観音大祭
24日
第3教区会 光明寺(御浜町)
23日~27日
龍光寺護持会名簿点検・宛名印刷・会計報告書と案内文印刷・会計 
報告書と会費払込書発送準備

副住職

7日・28日
熊野病院ディ・ケア クラシックギター講師(奉仕)
15日
新宮市民音楽祭出演

副住職&道雄

3月25日~4月5日まで
第42回春休み子ども坐禅会
4月8日
東正寺・龍光寺 花祭り
16日
龍光寺護持会役員会
18日
白寿観音大祭
19日
宗務所青年会総会・懇親会 海ひかり(熊野市)

道雄

13日
宗務所書記執務
14日
宗務所所会 見松寺(紀宝町)
17日
宗務所書記執務
毎日
龍光寺境内清掃
随時
紀宝柔道会 幼・小・中学生指導

6日
花祭り準備
13日
陶芸教室
随時
墓地掃除
随時
龍光寺本堂&トイレ清掃

管長猊下のおことば

告諭

今、私たちは多くの困難と不安に直面し、その生き方が問われています。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、多くの尊い命が失われ、人びとは深い混迷の中にいます。国際紛争や内戦、貧困・差別・格差・いじめ・命を奪う事件などの社会問題、近年頻発する自然災害・地球環境の変動などは、私たちに生存の危機をもたらしています。

一仏両祖のみ教えに生きる私たちは、どのような生き方を目指せば良いのでしょうか。

お釈迦さまは智慧と慈悲をもって生きることを示されました。智慧とは万物に生かされている生命の真理に気づく力です。慈悲とは限りないいつくしみの心をもって人びとの苦しみを除き安楽に導くことです。この時、私たちはさまざまな立場を認め合いながら、寛容になれるのです。

瑩山禅師は「たとい難値難遇の事有るも、必ず和合和睦の思いを生ずべし」と示され、人びとの悲しみも苦悩も我が事のように受け止め、相和して生きることをお説きです 本年も四摂法の「同事」を実践の柱として、分かち合い、支え合い、思いを重ね合って、人と人との繋がりを深めてまいりましょう。

道元禅師は「この法は、人人の分上にゆたかにそなわれりといえども、いまだ修しゅせざるにはあらわれず」と示され、み教えを、ていねいに日々の生活の中に生かしていくことをお諭さとしです。

仏さまに手を合わせ、坐禅に親しみ、世界中の人びとが誰一人取り残されることなく、安らかに暮らせるよう、祈り、念じ、皆ともに菩薩行を進めてまいりましょう。

いよいよ明年、大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師七〇〇回大遠忌が奉修されます。この遭難きご法縁を感謝しともどもにご信心をさらに深めていただくことを願ってやみません。

合掌

南無釈迦牟尼仏
南無高祖承陽大師道元禅師
南無太祖常済大師瑩山禅師
令和五(2023)年四月一日
曹洞宗管長 石附周行

せいゆうのひとりごと

PART ONE
孫の陽眞が、四月四日より鵜殿保育所に入園し、友美が仕事(熊野御坊南海バス株式会社・事務職)に復帰しました。
PART TWO
十四日、道雄が本堂の軒下に出没した一匹の猿を発見。裏山に姿を消しました。今後、注意が必要です。
PART THREE
二十日午前八時十五分頃鵜殿出発。京都経由で淡路島まで出掛けて来ました。妻・娘(京都在住)との三人旅。
北淡震災記念公園・野島断層保存館~伊弉諾神宮参拝~おのころ島神社参拝~休暇村南淡路(泊)
二十一日午前八時半頃宿を出発。
うずの丘鳴門橋記念館・おっ玉葱~大塚国際美術館~道の駅あわじ(昼食)~京都~紀北町(夕食)~午後七時鵜殿着。


お寺からのお願い

位牌堂の照明スイッチについて

これまでは、位牌堂右手にあるスイッチを利用して頂いてましたが、「感知式」にしましたので、そのまま位牌の前にお進みお参り下さい。約5分間点灯します。
位牌堂の奥が、開山堂です。

写真は、平成27(2015)年9月10日に落慶式を終えた開山堂です。
道元禅師様(右)永平寺開山
瑩山禅師様(左)總持寺開山

ゴミについて

平成15(2003)年4月より、試行錯誤しながら墓地のゴミ処理に取り組んでいます。
ゴミ(しきみ・色花・草等)を持ち帰ることのできる方は、ご協力をお願いします。
墓地掃除を請け負っている方は、請け負っている方の責任において持ち帰って処理して下さい。
ゴミを山に捨てないで下さい。


次の物は、必ず持ち帰り下さい。

  • 墓地で使用した、タワシ・雑巾・手袋
  • お供え物(果物・お菓子類・酒瓶・ビール缶・ジュース缶・セトモノ等)
  • ポリバケツや個人名を書いているバケツ

尚、古い塔婆は、山門前バケツ置き場横の小屋(古い塔婆入れ)に置いて下さい。


神棚と仏壇

人が亡くなりお家に伺いますと、神棚が閉じられていますが、仏壇も閉じられている場合も見受けられます。

人が亡くなるとお家の神棚を白い半紙などで閉じます。そして49日の法要が済んでから取り除き神棚の祀りを再開します。これを「神棚封じ」と言い、神様の住む聖なる場所である神棚に死忌が及ばないように封印するものです。

その際、仏壇を閉めるのは間違いです。「神棚を閉じる」ことと「仏壇を閉じる」ことを混同している方がいるようです。忌中の間もお仏壇のご本尊さま、ご先祖さまには香華灯燭仏飯をお供えします。そしていつものように毎日礼拝を続け、亡き人を一刻も早くみ仏の浄土へとお導き頂けるように祈願いたします。

続・夢積み立て 庫裡台所等々の改築工事

一、金壱阡圓也 写経奉納金
一、金壱阡圓也 寒修行托鉢浄財追加分(三軒)
一、金壱萬圓也 施主 片野 晴友(通算 金五万円也)


令和4年12月28日から令和5年4月28日現在
目標金額 住職私案 2,000万円
積立金額 金700,500円

内訳
写経奉納金累計額 金4,000円
寒修行托鉢浄財金累計額 金587,934円
喜捨累計額 金108,553円
預金利息累計額 金13円

喜捨金(寄附金)につきましては、鐘楼堂(平成7年)・山門(平成12年)・坐禅堂(平成23年)・開山堂(平成27年)の建立時、又本堂樋取替と本堂外壁塗装工事費(令和4年)と同様に、気になる方は気がむきましたら、無理のない喜捨をして下さい。たとえば
・「生きていてよかった」という何かいいことがあって。
・その時、運良くお金がいっぱいあって
・気持ちよく人に与えたい。
自然にこんな気持ちになった時で結構ですという考えで続けています。

今月の坐禅

安泰寺では、1年間1800時間の坐禅ができるという。
私はどれくらい坐れるだろうか。
4月の坐禅の時間・・・590分
トータル・・・2850分(47時間30分)

参加してみませんか?

坐禅会

東正寺朝の坐禅会
場所 東正寺坐禅堂&本堂
日   毎月18日
時   午前5時~午前6時
坐禅堂で30分の坐禅の後、本堂においてお経(般若心経・大悲心陀羅尼・舎利礼文)を読誦。
坐ってみたい方 遠慮なく来てください。
東正寺夜の坐禅会(不定期)
場所 東正寺坐禅堂&本堂
日   5月15日 19時~20時
4月の坐禅会の参禅者
東正寺朝の部 18日 9名
東正寺夜の部 20日 7名

写経会

写経室(坐禅堂1階)において、
毎日 午前中(午前8時~正午)に各自行う事が出来ます。
受付 午前8時~午前11時まで庫裡玄関にて受け付けます。
写経用紙・筆ペンは、用意しています。奉納金は、一部1,000円です。
(奉納金は、本堂トユ取替と本堂外壁塗装工事費として積み立てます)

日曜学校

毎週日曜日
午前7時~午前8時
内容 ラジオ体操・坐禅・お経・掃除・お茶
対象は小学生・中学生です。本人が希望すれば幼稚園児・高校生・18歳未満まで可。
上記の他にも、花まつり・遠足・田植え・収穫祭・忘年会等の催しがあります。
詳しくは日曜学校のページをご覧下さい。