東正寺寺報醫王

伝道掲示板


幸せは 感謝の心が 連れて来る

善き人々に出逢う旅222

北海道幌泉郡えりも町本町23
法光寺住職  佐野  俊也

令和五年の二月〜光と影をみつめて

ロシア軍がウクライナに侵攻してから二月二十四日で、一年が経ちました。

北海道放送のテレビ『今日ドキッ!』を観ていたら、昨年三月十九日、ウクライナを脱出してワルシャワ経由で日本に避難された七十九歳の降籏英捷(ふりはたひでかつ)さんの、インタビューが流れて来ました。

降籏さんは、一歳の時樺太(サハリン)で終戦を迎えましたが、戦後の混乱の中で日本に引き揚げられず、残留を余儀なくされました。その後、二十代で結婚。やがて奥さんの故郷であるウクライナに移住しました。妻と息子さんに先立たれた後も元気で暮らしていましたが、ロシア軍の攻撃が自宅のそばにも迫ってきたため、孫夫妻とひ孫の四人で、日本に永住帰国していた妹さんたちを頼り、旭川にやってきたのです。

人生で二度目の戦争を、どのような眼でみつめ、困難に耐えてきたのでしょうか?
「私の両親は日本へ帰りたがっていました。そのこともあり、私はウクライナへはもう戻らず、日本に残ることを決めました。年をとってからこんなことが起こるなんて、考えてもいなかったです」日本語は喋ることができないのですが、テロップをおうと、こんな風に答えていらっしゃいます。侵攻がなければ、きっと彼の地で、幸せな想い出を抱いて、静かに人生を全うされていたのだと思います。非道な紛争によって、穏やかな人生の道筋が暗転させられる人々が沢山いることを、あらためて感じた瞬間でした。


戦争が何とか終結したとしても、殺し合いによる怨みは、長く人々の心に残るでしょう。だからこそ、平和を希求する心を仏さまの教えに学び、伝え続けて行かなければならないと、私どもは思うのです。

お釈迦さまが、釈迦国に住んでおられた時、争いを鎮めるために親族たちについて説かれた教えです。

『怨みを懐く者らの中に
怨みを懐かず安楽に生きよう
怨みを懐く人々の中に
怨みを懐かず安楽に住もう』 (法句一九七)

一月下旬、妻と帯広に出掛けました。昨年の末にY眼科で、二人診察を受けていましたが、飛蚊症が気になっていた妻は何でもなく、拙僧は「白内障の検査を後日受けて下さい」と告げられていたのです。眼球に光を当てられる検査をされると、しばらく車の運転が出来ないので、昼に検査を受けて、宿泊することにしました。妻は私を置いて、一月一杯で閉店を迎える藤丸デパートの最終セールに、いそいそと向かいました。

混み合う待合室から検査室へ。検査が終わって、診察室に入る時は「どのような結果になるのか」と、些か不安でした。テキパキとデータを診られた先生の口から「白内障の初期の段階ですね。いずれ手術をした方が良いと思いますが、しばらくは眼鏡でも大丈夫です」と告げられ、ホッと致しました。

明るい気持ちでタクシーに乗り、軽食を食べようと待ち合わせていたレストランに入りました。案内された席に着き、コートを脱ごうとした瞬間に、はっとしました。胸のポケットに入れていた筈の長財布が、無いのです。慌てて外に出て、雪に埋もれた道路の一帯を探しますが、一向に見つかりません。結構な金額と数枚のカードが入っている愛用のお財布。焦りました。近くの交番に電話もしましたが、数分の間に届いている訳もありません。「やってしまった!」浮ついた自分が情けなくなります〜

ところがです。レストランの方が、「財布をお探しですか?」と、あたふたしている私に声をかけてくれたのです。お客様が、店の入り口で拾って、届けて下さったとの事。「中にいらっしゃるのでは」と伺ったので、再び店内に入ると、親切なマダム三人組の方が、お食事の最中でした。「お礼を」と申し上げたのですが、固辞されます。横から妻が「お食事の代金をお払いしたら」と、ナイスな口添えをしてくれて、気持ちよくお受け頂きました。


「捨てる神あれば、拾う神あり」とは、良く言ったものです。光があれば暗い影が必ずあり、人生は光と影の交差の中にあります。影の世界の中にいても、私たちは光の方に向かって歩むことが出来ます。ウクライナの人々も、きっとそう信じて、困難に耐えているのではないでしょうか。光に向かって祈ります。


法句経解説


様似町の川辺

トピックス

涅槃会(お釈迦様の亡くなられた日)

1日〜15日の朝課にて「仏垂般涅槃略説教誡教」を読誦して供養。
15日午後1時半より梅花講員さんと共に 仏垂般涅槃略説教誡教を読誦し、大聖釈迦如来涅槃御和讃、大聖釈迦如来涅槃御詠歌(不滅)を奉詠し涅槃会を厳修した。
涅槃図の掛け軸は、東正寺三世中興 禅厳道大和尚(1730〜1738年在住)の代のもの。

梅花講総会

15日午後1時45分より開催し、行事報告・会計報告・会計予算・行事予定について承認された。

寺族会新年会

16日午前11時半より創作料理華月(熊野市)で開催された。

東正寺世話人委嘱

次の方々が、東正寺代表役員(片野晴友住職)より委嘱された。任期は4年。
宜しくお願いします。
榊原 富也(再) 河原 佳子(再)
平野 栄子(再) 奥川みどり(再)
西  洋美(再) 田中 敦子(再)
鈴木喜久美(再)


☆護持会費納入について
二月十四日に世話人さん宅に伺い、会費納入についてのお願いをしました。
※鵜殿地区内は当番制です。(事情により一部の方は振り込み)当番の方には、ご苦労様ですが、宜しくお願いします。
鵜殿地区外は、振り込み、又は直接東正寺へ持参して頂いています。
護持会名簿点検作業や鵜殿地区外への手紙発送(十四日に発送済み)は、住職と寺族(妻)が行っています。
間違い等がありましたら住職まで御連絡下さい。宜しくお願いします。 

感謝録&醫王縁助金

寄附単(感謝緑)

先祖代々供養
一、金弐萬圓也  施主 匿 名様

勲徳常照居士二十三回忌供養
一、金弐萬圓也  施主 大野 宗視様

孝道良順居士五十回忌供養
一、金参萬圓也  施主 井村 弘子様

直翁忠善居士 十七回忌供養
忠室貞薫大姉三十七回忌供養
一、金参萬圓也  施主 堀河 伸一様

ご寄附を頂き有り難うございます。

醫王縁助金

一金伍阡圓也 匿名様 東京都
一金壱阡伍百圓也 匿名様 新宮市
一金壱萬圓也 古田 浩照様 熊野市
一金伍阡伍百圓也 西村 柚美様 東京都
一切手四阡弐百圓分 仲 正弘様 紀宝町
ご縁を助けて頂き有り難うございます。

国際ボランティアの寺

東正寺は、社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)に登録した「国際ボランティアの寺」として活動しています。
ご協力の程 宜しくお願いします。

ほほえみ募金

募金箱は本堂に置いています。
令和5年2月25日現在  金95,390円
ほほえみ募金  →  SVA  →  カンボジア・タイ・ラオス等の教育関係へ
◎SVAに寄託した募金額  金730,000円

アジアの図書館サポーター

アジアの図書館サポーターとして年間24,000円をSVAを通して支援しています。 この支援により、アジアでの図書館運営、移動図書館、図書館員の育成を支えています。(平成17年6月〜継続)

絵本を届ける運動(カンボジア・ラオス)

1冊の絵本に、翻訳シールを貼りつける作業。
1組2,500円。過去265組送付。
絵本を届ける運動 (シャンティ国際ボランティア会)

回収

☆牛乳パック(切り開き、乾かして) 
☆書き損じはがき・各種プリペイドカード
☆使用済み切手(切手のまわり1cm程度余白を残して封筒ごと切り取って下さい)

報告

12月29日から1月28日までに協力を頂いている方々です。

■使用済み切手
山田勝敏様 西美津子様 匿名様 鮒田潤一郎様  


ご協力ありがとうございます。

行事報告

せいゆうの行事報告

2月6日
熊野・尾鷲地区保護司会合同研修会
内容 「犯罪被害者の実情と必要な支援」
講師 NPO 法人犯罪被害当事者 ネットワーク「緒あしす」代表 青木聰子氏
場所 熊野古道センター(尾鷲市)
8日
龍光寺 初薬師法要・水子供養
13日
鵜殿地区の護持会名簿の点検作業(会計用・世話人用)
鵜殿地区外の護持会会費納入お願いの手紙と宛名を作成
14日
世話人・会計宅に鵜殿地区の護持会当番板と名簿を届ける
鵜殿地区外(1部地区内)護持会会費納入お願いの手紙発送 300通

副住職

10日
宗務所青年会2月定例研修会
永明寺(熊野市飛鳥町小阪)
13・14日
梅花本庁オンライン講習(曹洞宗宗務庁・東京都港区)
17日
熊野病院ディ・ケア クラシックギター講師(奉仕)
19日
阿弥陀寺 初大師大祭

副住職&道雄

8日
龍光寺 初薬師法要・水子供養
15日
龍光寺 涅槃会・梅花講総会

道雄

10日・11日
第23期梅花流師範養成所(曹洞宗宗務庁・東京都港区)
講習&修了式
22日
宗務所青年会3月定例研修会(托鉢)の下見(木本町・井戸町)
随時
紀宝柔道会 幼・小・中学生指導

随時
境内掃除&トイレ掃除等
随時
龍光寺本堂&トイレ掃除等

せいゆうのひとりごと

PART ONE
十九日、松林寺(山形県・三部義道住職)で「お寺カフェ」が開かれ、全盲のヴァイオリニスト穴澤雄介さんのコンサートがあったそうです。
穴澤さんを、東京パラリンピックのコメンテーターとしてテレビで見た方もいらっしゃるかと思います。
三部さんのフェイスブックより
今回の約一時間のトーク&ライブのお話の中で印象に残ったのは、左手の人差し指を骨折した時の話です。
『ヴァイオリニストにとって、弦を押さえる左手人差し指が使えないというのは致命的で、このまま音楽活動はおしまいになってしまうのかと絶望的になったと。
「しかし、待てよと考えた、人差し指を使わないで演奏できる曲を作ればいいのではないか」と気がついた。
作曲家でもある穴澤さんは、二か月の療養中、曲を作り、何度も練習してできた曲を演奏してくれました。
「全盲だから、できないことはたくさんある。でも、できることでどうすればいいのか、どうすれば楽しく生きられるのか、それを考えればいい。そういう考えができるようになったのは視力を失ったからこそだ」。
とても示唆のあるお話でした。
穴澤さんはめちゃくちゃポジティブで明るい人のようで、「見えなくなったら希望が見えた」という演題の講演もされているそうです。ユーチューブもアップしています。是非一度覗いてみて下さい。
●なあむ やどかり和尚の考えたこと(三部義道さんのブログ)
「サンデーサンライズ405 見えなくなったら希望が見えた」
●穴澤雄介さんのYoutubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC2O7x9pOg-gYXfdGv5-xzhg
PART TWO
禅の友の曹洞俳壇に毎月投稿している苅屋奈良美さん。これまで何度も選定されていますが、今回念願の批評つきの一番目に記載されました。

寝不足の神も仏も大晦日

評 大晦日は神も仏も人間も忙しい。人は年末に一年間の大掃除を終え、年始の用意もせねばならない。神社の神も寺の仏も大晦日に繰り出される人間を待ち受けるために働きづめとなる。まことに神さま仏さまのご苦労には頭が垂れる思いである。
選者 坊城俊樹

苅屋さんは、坐禅会にも熱心に参加し、十二月の摂心の後には毎年、俳句を投稿して貰っています。又、義父と夫の月命日には必ず墓参りをしているので、よくお目に掛かります。
PART THREE
智博と道雄は、熱心に梅花に取り組んでいます。
講員さんの指導は、智博が
東正寺(毎週土曜日) 従来からの講員さん7名(寺族含む)、新講員さん2名(不定期)
龍光寺(不定期) 新講員さん2名+1名(東正寺新講員)
道雄が、2月末から
龍光寺(不定期) 従来からの講員さん4名
を対象にそれぞれ講習を行っています。
興味のある方は、ご連絡下さい。
2月から習い始めた東正寺の新講員さん2名の方は、20代と30代です。

お寺からのお願い

位牌堂の照明スイッチについて

これまでは、位牌堂右手にあるスイッチを利用して頂いてましたが、「感知式」にしましたので、そのまま位牌の前にお進みお参り下さい。約5分間点灯します。
位牌堂の奥が、開山堂です。

写真は、平成27(2015)年9月10日に落慶式を終えた開山堂です。
道元禅師様(右)永平寺開山
瑩山禅師様(左)總持寺開山

ゴミについて

平成15(2003)年4月より、試行錯誤しながら墓地のゴミ処理に取り組んでいます。
ゴミ(しきみ・色花・草等)を持ち帰ることのできる方は、ご協力をお願いします。
墓地掃除を請け負っている方は、請け負っている方の責任において持ち帰って処理して下さい。
ゴミを山に捨てないで下さい。


次の物は、必ず持ち帰り下さい。

  • 墓地で使用した、タワシ・雑巾・手袋
  • お供え物(果物・お菓子類・酒瓶・ビール缶・ジュース缶・セトモノ等)
  • ポリバケツや個人名を書いているバケツ

尚、古い塔婆は、山門前バケツ置き場横の小屋(古い塔婆入れ)に置いて下さい。


神棚と仏壇

人が亡くなりお家に伺いますと、神棚が閉じられていますが、仏壇も閉じられている場合も見受けられます。

人が亡くなるとお家の神棚を白い半紙などで閉じます。そして49日の法要が済んでから取り除き神棚の祀りを再開します。これを「神棚封じ」と言い、神様の住む聖なる場所である神棚に死忌が及ばないように封印するものです。

その際、仏壇を閉めるのは間違いです。「神棚を閉じる」ことと「仏壇を閉じる」ことを混同している方がいるようです。忌中の間もお仏壇のご本尊さま、ご先祖さまには香華灯燭仏飯をお供えします。そしていつものように毎日礼拝を続け、亡き人を一刻も早くみ仏の浄土へとお導き頂けるように祈願いたします。

続・夢積み立て 庫裡台所等々の改築工事

一、金壱阡圓也 写経奉納金
一、金伍阡圓也 施主 匿名様
一、金参阡圓也 施主 匿名様
一、金壱萬伍百圓也 寒修行托鉢浄財追加分(十一軒)
一、金壱萬圓也 施主 片野 晴友(通算 金三万円也)


令和4年12月28日から令和5年2月25日現在
目標金額 住職私案 2,000万円
積立金額 金670,487円

内訳
写経奉納金累計額 金1,000円
寒修行托鉢浄財金累計額 金579,934円
喜捨累計額 金88,553円
預金利息累計額 金0円

喜捨金(寄附金)につきましては、鐘楼堂(平成7年)・山門(平成12年)・坐禅堂(平成23年)・開山堂(平成27年)の建立時、又本堂樋取替と本堂外壁塗装工事費(令和4年)と同様に、気になる方は気がむきましたら、無理のない喜捨をして下さい。たとえば
・「生きていてよかった」という何かいいことがあって。
・その時、運良くお金がいっぱいあって
・気持ちよく人に与えたい。
自然にこんな気持ちになった時で結構ですという考えで続けています。

今月の坐禅

安泰寺では、1年間1800時間の坐禅ができるという。
私はどれくらい坐れるだろうか。
2月の坐禅の時間・・・700分
トータル・・・1460分(24時間20分)

参加してみませんか?

坐禅会

東正寺朝の坐禅会
場所 東正寺坐禅堂&本堂
日   毎月18日
時   午前5時〜午前6時
坐禅堂で30分の坐禅の後、本堂においてお経(般若心経・大悲心陀羅尼・舎利礼文)を読誦。
坐ってみたい方 遠慮なく来てください。
東正寺夜の坐禅会(不定期)
場所 東正寺坐禅堂&本堂
日   3月15日 19時〜20時
2月の坐禅会の参禅者
東正寺朝の部 18日 10名
東正寺夜の部 17日 10名

写経会

写経室(坐禅堂1階)において、
毎日 午前中(午前8時〜正午)に各自行う事が出来ます。
受付 午前8時〜午前11時まで庫裡玄関にて受け付けます。
写経用紙・筆ペンは、用意しています。奉納金は、一部1,000円です。
(奉納金は、本堂トユ取替と本堂外壁塗装工事費として積み立てます)

日曜学校

毎週日曜日
午前7時〜午前8時
内容 ラジオ体操・坐禅・お経・掃除・お茶
対象は小学生・中学生です。本人が希望すれば幼稚園児・高校生・18歳未満まで可。
上記の他にも、花まつり・遠足・田植え・収穫祭・忘年会等の催しがあります。
詳しくは日曜学校のページをご覧下さい。